当院の特色
政策医療の推進
全国の国立病院機構の一員として、政策医療(がん、循環器病、精神疾患など19分野)のうち、当センターは精神疾患と重症心身障害の治療に関して、国立高度専門医療センター(国立精神・神経センター)と協力して積極的に取り組んでいます。
治験の推進
統合失調症や認知症等の新薬開発に伴う治験を積極的に行っています。
精神科専門医療
山陽地方における精神医療の中枢的機能を備えた国立病院機構所属医療機関としての役割を果たしており、治療抵抗性ならびに治療困難な精神障害者の医療を行い、精神科救急についても保健所等との連携の下で積極的に取り組んでいます。
特に精神障害者の社会復帰を目的とする精神科リハビリテーションは精神療法、薬物療法とともに重要な課題です。そのためにリハビリテーション部門を設け、作業療法活動、医療ならびに心理相談、さらに外来通院者に対するデイケア、訪問看護などを積極的に行っています。同時に地域活動や患者家族会活動に積極的にかかわり、入院期間の短縮や再入院の防止に効果を上げています。
重症心身障害児(者)医療
当センターの重症心身障害児(者)病棟は、いわゆる「動く重心」といわれる、重度の知的障害に加えて著しい行動障害を伴うため家庭や施設での生活が困難な対象者の医療と療育を行うもので、中国・四国地方の国立病院機構所属医療機関としては唯一の施設です。
臨床研修・実習
医師の卒後臨床研修病院に指定されており、広島大学、東広島医療センターの協力型(精神科)病院として研修医を受け入れています。平成18年1月、日本精神神経学会専門医研修施設に認定されました。
県内外の各看護大学および看護学校、心理学科や社会福祉学科、作業療法士養成機関等からの精神科実習生を積極的に受け入れ、医療従事者や福祉関係者の育成に貢献しています。
院内教育・研修
職員の教育・研修にも積極的に取り組んでおり、各種の院内教育・研修を行っています。
施設基準・モデル事業など
昭和59年10月1日 | 精神科作業療法施設基準承認 |
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平成13年4月1日 | 応急入院指定病院(精神科)指定 |
平成16年4月1日 | 精神科デイケア(小規模)施設基準承認 |
平成16年4月1日 | 結核患者収容モデル事業施設承認 |
平成17年4月1日 | 卒後臨床研修指定病院(精神科) |
平成18年1月1日 | 日本精神神経学会専門医研修施設認定 |
平成18年4月1日 | 広島県精神科救急医療施設指定 |
平成18年7月1日 | 精神科急性期治療病棟Ⅰ施設基準承認 |
平成20年6月24日 | 指定入院医療機関指定 |
平成28年3月31日 | 結核患者収容モデル事業終了 |
平成30年4月1日 | 県連携拠点病院「災害医療(精神)」 県連携拠点病院「統合失調症」 |
令和2年3月26日 | 災害拠点精神科病院指定 |
医療観察法病棟開設について
医療観察法の目的は以下のように定められています
第1条 この法律は、心身喪失等の状態で重大な他害行為(他人に害を及ぼす行為をいう。以下同じ。)を行った者に対し、その適切な処遇を決定するための手続き等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な観察及び指導を行うことによって、その症状の改善及びこれに伴う同様の行為の再発防止を図り、もってその社会復帰を促進する目的とする。
第2条 この法律による処遇に携わる者は、前項に規定する目的を踏まえ、心身喪失等の状態で重大な他害行為を行ったものが円滑に社会復帰をすることができるように努めなければならない。
法の目的に沿って賀茂精神医療センター医療観察法病棟を運営していきます
従来の精神科病棟に比べ豊富な人員配置と広い治療空間が確保され、対象者が社会復帰できるように新しい治療活動が行われます。又この治療活動の成果は一般精神病棟にも反映されます。
1 病棟の基本構造
急性期ユニット・回復期ユニット・社会復帰ユニット・共用ユニットに分かれた構造です。 すべて個室で対象者のプライバシーに配慮した構造(10m²以上)
病棟面積は、一床あたり従来病棟25m²に対してこの病棟は69m²と約2.8倍広くなっています。
専用の屋内スポーツ場、作業療法室、集団療法室、アトリウム、中庭などもあります。
2 病棟の特色
豊富な人員配置 (病床33床)
医師 | 4名 |
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看護師 | 43名 |
作業療法士 臨床心理技術者 精神保健福祉士 |
7名 |
事務職員 | 2名 |
警備員 | 1名 |
3 多職種チームによる医療
医師、看護師、作業療法士、臨床心理技術者、精神保健福祉士等が対等の立場でチームを組み、個別治療計画を立案し手厚い専門スタッフの配置により多職種によるチーム医療を行います。
対象者自らが病気を理解して、病気への対応能力を会得し、退院後の生活に必要な技術や対人能力を身につけるために、多様なリハビリテーションプログラムを対象者も参加して作り上げます。
対象者がこれまで生活していた地域への退院を目指します。入院初期から退院に向けて関係機関と充分な連携を行うことで、退院後の継続的な医療とケアにつないでいきます。
また、都道府県、市町村、といった自治体、精神保健福祉の関連機関や保護観察所などとの連携により専門的な医療サービスを提供し、入院対象者の社会復帰を支援します。