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院長 山口 博之

院長あいさつ

賀茂精神医療センターは昭和19年5月に海軍病院として開設され、戦後厚生省に移管されました。昭和22年4月からは結核療養所に転換し、昭和40年5月より精神科病棟を整備していき、昭和50年3月には重症心身障害児・者病棟が完成しました。昭和55年4月結核病棟閉鎖後は、精神科疾患治療と「いわゆる動く」重症心身障害の専門医療機関として歴史ある病院です。この度令和2年4月1日、坂尾名誉院長の後任として院長に就任し、その重責を感じております。
私が平成11年に赴任した時、当院は国立療養所賀茂病院の時代で、多くの年間行事や病棟遠足、作業療法のグループ(クラブ)の遠足などに医師が参加しており、診療場面だけでなく日頃の患者さんの姿を見る機会が多くありました。そういった場面では患者さんも医師を医師として意識せず、以外な一面を見せてくれることもありました。この20年間で精神科医療は飛躍的に進歩し、当時の療養中心の医療から、退院して社会復帰を目指す治療中心の医療に変化しました。そのため入院期間は短縮し、当時のような事は少なくなっています。日本の精神科医療が発展し、収容、療養中心の医療から脱却して、地域に溶け込み生活することを目指す治療になったことは、とても望ましい変化です。しかし、患者さんに寄り添い、患者さんと共に目標を目指すという点に変わりはない、変わってはいけないというのが私の考えです。
当院は、地域の精神科医療を支えていく立場にあります。クリニックに通院している患者さんが調子を崩して入院が必要になった時、夜間や休日に急な対応が必要になった時などは出来る限りの対応をしていきます。
また、質の高い医療を提供してゆくには優秀な人材が必要です。そのために優秀な人材を育成できるような環境を作っていきます。そうして育った優秀な人材が、当院だけでなく当院から巣立ち様々な医療現場で活躍する、そんな事を夢見ています。広島で愛されているプロ野球の広島カープは人材育成の得意な球団として知られています。いずれはカープのように「育成の賀茂」と言われるように。

 

令和2年4月吉日

独立行政法人国立病院機構
賀茂精神医療センター
山口 博之