研究検査科このページを印刷する - 研究検査科

検査科の業務は「検体検査部門」と「生理機能部門」に分けられます。
「検体検査部門」は血液や尿をはじめ、便や痰、胸水や腹水、関節液、髄液や骨髄液など、体内のあらゆる部位に存在する体液中の各種の物質の濃度や働きを測定するのみならず、組織の一部を採取し、がん細胞を検索する組織診断もあります。
「生理機能部門」では心電図、脳波検査、聴力検査、肺機能検査、超音波検査(心臓・腹部・頸動脈等)などが含まれます。
また、外来診療からの至急依頼の検査に対しては30分以内に報告する体制を取っています。

検査科スタッフ

臨床検査技師4名

臨床検査の役割

医師は検査で得たより多くの客観的情報をもとに、総合的に患者さまの状態を判断し、診断を下します。また、臨床検査は治療の入り口でもあり、病気の経過観察、治療効果の判定、重大な病気の早期発見などに大きく貢献しています。
チーム医療の一環としてICT(院内感染対策チーム)やNST(栄養サポートチーム)にも臨床検査技師が参加しています。

検査科の目標

  • チーム医療へ積極的に参画し患者さまに最適な精神医療を提供する。
  • 検査データの精度保証に努め地域連携におけるデータの共有化を進める。
  • ICT・NSTの一員として情報の収集・分析を行い問題点を把握し速やかに改善策に取り組む。
  • 経営改善に取り組み、常に経済的且つ効果的な業務運用を行う。

検体検査部門

生化学・免疫検査

生化学免疫自動分析装置

血液、尿、髄液等の体液の材料を対象として、自動分析機によって体内の蛋白質、糖質、脂質、含窒素成分、無機物などを測定しています。検査は主として、患者さまから採血された血液を遠心分離して得られた血清を用いています。また、患者さまが服用されている薬(抗てんかん薬、抗躁薬など)の血液中濃度や甲状腺ホルモン(TSH、FT3、FT4)を測定することで、治療方針の決定にも役立っています。
免疫検査として、ウイルス感染症や梅毒検査などを検査しています。B型肝炎抗原抗体とC型肝炎抗体と梅毒RPR反応やTPLA検査をしています。
栄養の指標となる蛋白、アルブミン、コレステロースなどのデータは、NSTに情報として提供しています。

肝機能検査 総蛋白、アルブミン、AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビン など
腎機能検査 クレアチニン、尿素窒素、尿糖、尿蛋白 など
糖尿病検査 血糖、尿糖、ヘモグロビンA1c など
脂質検査 コレステロール、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール など

血液・凝固検査

血球計数装置

多項目自動血球分析装置

血液中に存在する細胞を血液細胞または血球と呼んでいます。血液細胞には赤血球、白血球、血小板があります。血液検査では、これらの細胞の数を測定する血球計数検査を行います。赤血球数、白血球数、血小板数は血液1㎕に含まれる血球の数です。血色素量はヘモグロビン量とも呼ばれ、赤血球に含まれるヘモグロビン量を測定します。ヘマトクリット値は血液中に含まれる赤血球の容積です。血小板数は止血機能の診断に用いられます。凝固検査では薬の量の調整や血液のかたまり具合を判断します。

一般検査

尿定性分析装置と沈渣用遠心機

尿定性分析装置と沈渣用遠心機

尿中の糖や蛋白をはじめいろいろな成分を分析し、細胞の種類を見ることで腎臓や膀胱の障害を診断します。その他、便潜血を見ることで大腸がんの補助診断も行っています。

細菌検査

微生物検査室では、一般細菌、抗酸菌、ウイルス検査を行っています。
一般細菌検査は、患者さまに発熱、嘔吐、下痢などの症状が起こり、細菌が原因の感染症と疑われた場合に行われます。そして、喀痰、尿、便などの材料を対象に検査を行い、原因となる細菌をみつけます。
ウイルス感染(新型コロナウイルス、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなど)が疑われる患者さまには、専用の測定キットや核酸検出法(PCR法)を用い、感染の疑いがないのか検査しています。
また、当院のICTは感染対策の向上を図る一貫として、定期的に他施設との合同カンファレンスを行い、患者さんのQOLの向上に努めています。

生理機能検査

心電図、肺機能検査、脳波検査、聴力検査、超音波検査(心臓・腹部・頸動脈 等)などを検査しています。
心電図は、心臓の電気的な動きを診ています。
心臓超音波検査は、超音波で心臓の血流・筋肉・弁などの動きを診ています。肺機能検査は、肺活量などを検査しています。
脳波検査は、脳内の電気的な動きを診ています。

心電図
心電図

脳波計
脳波